南陽寺にまつわるそのべ昔ばなし

かねつきやま

むかし園部の街がまだ淋しい一寒村であった頃、仙太郎という気立てのやさしい美しい若者が母親と百姓をしながら平和に暮らしていましたが、ある晩一人の若い娘が一夜の宿を求めて訪ねてきました。
身の上話から二人は結ばれ子供もできましたが、最愛の女房はある日人間に化けた大蛇であることが解かり、山に帰ることになりました。
最後に穴がふさがれるので昼と夜を知らせる鐘を毎日撞いてほしい≠ニ言い残して消えました。
南陽寺の裏山を今もかねつきやま≠ニ呼ばれています。

十倉長者と馬頭観音

むかしむかし私市(きさいち)というところに、屋敷に倉を十棟持つ十倉長者と呼ばれた金持ちがいました。
ある日長者は大勢の共を連れ丹後松尾寺の浜で盛大な舟遊び楽しんでいましたが、急に嵐となり長者ひとり鬼界ヶ島にたどり着きました。
途方に暮れていたとき一頭の白馬が現れて、海を渡り野山を越えて私市にたどり着くと白馬は消えました。
やがてその白馬の正体は一本の古木であったことが解かり、長者はその木を切り、仏を刻んだものが南陽寺の馬頭観音と伝えられています。

南陽寺 〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町1-1 Tel0771-62-2008 Fax0771-62-2004   > リンク